新エネルギー計画 核融合発電について2
前回、新エネルギーのひとつである核融合発電について記載しました。
今回も引き続き核融合発電について紹介いたします。
核融合発電は、「太陽のエネルギー源を地上で再現できる」「夢のエネルギーだ」と長い間言われてきましたが、なかなか思うように開発が進みませんでした。
しかし、2013年12月、岐阜県土岐市の核融合科学研究所で核融合発電まで7,8合目まで来るほどになりました。核融合に必要な高温プラズマを48分間維持させることに成功したのです。研究所では1998年に実験を開始しました。
研究所の実験棟では、大型ヘリカル装置という巨大な装置があります。プラズマを発生させるドーナツ状の真空容器は直径8メートルもあります。放射状に加熱装置や冷却装置が取り付けられています。
この装置は、実験の際に超電動磁石を使うのでマイナス270度まで冷却されて内部は真空になります。真空トンネル内に浮かすようにプラズマを発生させます。
ホコリなどの不純物が入らないよう、メンテナンス時もクリーンルーム用の作業着を着て行います。
核融合は水素等の軽い原子核を融合して思い原子核を作り出す原子核反応です。
反応の際に質量が少し減って大量のエネルギーを産出します。
「太陽のエネルギー源」であり、地上で再現できれば無限のエネルギーが作り出せるとして各国で研究が進められてきました。
核融合を地上で再現するには、超高温で高密度であることが必要です。核融合の点火に必要な温度は1億2000万度です。太陽の中心温度は1500万度ですから、それよりはるかに高温なことがわかります。研究所では9400万度を達成しました。また、プラズマを持続させる時間も2300万度まで落ちてしまうものの、48分間維持することに成功し、目標に近づきました。
現在、研究所では水素を使って研究をしていますが、今後は重水素を使って研究する計画です。重水素なら水素の1.4倍の高温になることがわかっているので、2.3年で目標である1億2000万度を達成させようとしています。