新エネルギー計画 波力発電のデメリットと実用化について
前回は波力発電のメリットについてご紹介しました。今回はデメリットから記載します。
<デメリット>
・コスト:海上に設置しますので、陸に設置するよりも時間・費用がかかります。さらに海水にずっと触れているため、コケや貝がついてしまうので定期的に点検やメンテナンスが必要になります。川などの淡水の水力発電所と比べると波力発電所のコストは大きくなります
・安全面:自然災害に対して波力発電所が安全であるか懸念されています。波力発電所自体が波を取り込むので、波の直撃を避けられないので十分な強度が必要です。ジャイロ式についても波で流されないようにしなければなりません
・漁業
波力発電を設置する場合はたくさんの漁船が通る場所になりますので、漁業関係者の強力が必要です。混雑している港に波力発電を設置すると、漁業にとって確実な悪影響になります
波力発電は他の新エネルギーと比べて安定性や発電量に優れていますが、上記のデメリットから実用化に至っていません。
オイルショックによって再生可能エネルギーが重要視され始めて以降、波力発電は注目され研究開発が進められてきました。
日本では1919年に千葉で波力発電の実験が行われ、世界で初めて実用化された波力発電装置として1965年に益田式航路標識ブイが使われました。
世界的に波力発電の関心が高まったのは1970年でしたので、日本が波力発電に関して進んでいたことがわかります。
しかし石油価格が落ち着いたことや波力発電研究等の資金がなくなってきたことで、研究開発ができなくなってきました。
そのため日本ではまだ実用化するのがむずかしいのです。